登山中の突然の雨や悪天候に備えるため、レインウェアは必須のアイテムです。しかし、ただ防水機能を持つだけではなく、登山中の快適さを保つための素材選びがとても重要です。
この記事では、登山初心者から上級者まで役立つレインウェアの選び方とメンテナンス方法を紹介します。
登山用レインウェアの必須条件
防水透湿性
防水透湿素材は、外からの雨粒のような大きな粒子を防ぎつつ、内側の汗による蒸れを小さな粒子として外に放出する機能を備えています。防水性は雨などの水を中に入れずに防ぎ、透湿性はウェア内で発生した湿気を外に排出します。この素材は、登山中の雨対策と快適性を両立させ、長時間の使用でも内部の蒸れを抑える優れた機能を持っています。
上下セパレートが基本
登山用レインウェアは上下セパレートタイプが基本です。ポンチョ型は風で捲れ上がったり、襟元や裾から雨が侵入することがあり、登山中に枝や岩に引っかかるリスクも高まります。一方、セパレートタイプは体にフィットし、動きやすく、雨の侵入をしっかり防ぐため、登山には最適です。
人気ブランドのレインウェアを徹底比較
ミレー:ティフォン50000
ミレーの「ティフォン50000」は、一般的なレインウェアに使用される素材に比べて約2倍の透湿性を持つ防水透湿素材を採用しており、登山中でも内部の湿気を効果的に逃がして快適さを維持します。また、高いストレッチ性と柔らかさが特徴で、動きやすさを重視したデザインが魅力です。これにより、長時間の着用でも疲れにくく、過酷な環境でもストレスを感じずに行動できます。撥水性も優れており、悪天候でも安心です。
ザ・ノース・フェイス:フューチャーライト
ザ・ノース・フェイスの「フューチャーライト」は、独自開発の防水透湿素材「フューチャーライト」を採用した次世代ジャケットです。高い防水性を維持しつつ、通気性も兼ね備え、蒸れによるウェア内の温度上昇を抑えます。また、軽量で柔らかい素材のため、快適に動けるのも特徴です。特にストップ&ゴーを繰り返す山行に最適で、過酷な条件下でも柔軟に対応できるレインウェアとして人気があります。
ファイントラック:エバーブレス
ファイントラックの「エバーブレス」は、「異次元ストレッチ」と称されるほどの高いストレッチ性が特徴です。ポリカーボネート系ポリウレタンを採用しており、紫外線や高温などの外的要因による耐久性が高く、経年劣化による防水性の低下を抑制します。横方向に30%のストレッチ性を持ち、登山中のあらゆる動きに柔軟に対応。また、裏地にも撥水加工が施されており、衣服内を常にドライに保つことができます。
パタゴニア:H2No
パタゴニアの「H2No」は、非常に厳格なテストをクリアした防水透湿素材を使用しており、信頼性の高い防水性と通気性を提供します。また、立体裁断を採用しているため、一日中着用しても快適さが保たれ、動きやすさも抜群です。長時間の登山でもストレスなく使用できる、耐久性と機能性に優れたレインウェアとして評価されています。
お役立ちレイングッズ
ゲイター
ゲイターは、レインパンツの上に装着して足元を保護し、浸水や泥はねを防ぐアイテムです。特に悪天候やぬかるんだ道での登山時に役立ち、靴やパンツの裾が濡れるのを効果的に防ぎます。
レインハット
レインハットは、小雨の際にジャケットのフードを被らずに使うことで、蒸れを防ぎ快適に過ごせます。
また、フードの下にレインハットを被ると、フードの形がしっかり保たれ、視界が確保されやすくなるため、登山中の安全性も向上します。
レインウェアのメンテナンス
レインウェアのメンテナンスの重要性
登山用のレインウェアは、防水透湿素材でできており、外部からの水を遮断しつつ、内部の湿気を放出する性能を持っています。防水性は繰り返しの使用で急激に低下することはありませんが、撥水性は泥やホコリ、摩擦などの影響で徐々に失われます。撥水性が低下すると、表面に水が溜まりやすくなり、内部の湿気が外へ逃げられず、ウェア内に結露が発生する可能性があります。このため、使用後は定期的に洗濯し、撥水加工を回復させることが重要です。
レインウェアの洗濯前に
レインウェアを洗濯する前に、必ず洗濯表示を確認しましょう。表示によって、洗濯機で洗えるか、手洗いが必要かが分かります。多くのレインウェアは洗濯機対応ですが、素材によっては手洗いが推奨される場合もあるため、確認が重要です。適切な洗濯方法を守ることで、レインウェアの撥水性や防水性能を長持ちさせることができます。
使用すべき洗剤
レインウェアを洗う際は、中性洗剤を使用することが重要です。特に、化学繊維専用の洗濯洗剤を選ぶと、防水透湿性を損なうことなく安心して洗えます。通常の洗剤や柔軟剤はレインウェアの機能を低下させる恐れがあるため避けましょう。撥水性を保つためにも、適切な洗剤を選ぶことが大切です。
洗濯機での洗濯手順
ネットに入れる
レインウェアを洗濯する際は、ジッパー類をすべて閉じ、フードは収納袋から出して広げます。また、コード類は緩めた状態にしておくことが重要です。これにより、洗濯中にウェアがダメージを受けるのを防ぎ、形を保ちやすくなります。ネットに入れることで摩擦を抑え、レインウェアの撥水性や防水性能を長持ちさせる効果があります。
弱コースで洗濯
レインウェアを洗濯する際は、弱コースでしっかりとすすぎ、脱水は避けましょう。防水性素材は水を浸透させないため、遠心力が強くかかり、洗濯機の故障につながる恐れがあります。脱水を行わずに、自然乾燥させることでレインウェアの素材を守り、性能を長持ちさせることができます。
乾燥機で乾かす or 陰干し+ドライヤー
レインウェアの撥水性は、熱を加えることで回復します。洗濯表示を確認し、乾燥機使用が可能なら乾燥機で乾かしましょう。乾燥機が使えない場合は、陰干しで自然乾燥させた後、ドライヤーをあてることで撥水性を復活させることができます。この手順を守ることで、レインウェアの性能を長持ちさせます。
撥水性を保つためのメンテナンス方法
レインウェアの撥水性を保つためには、すすぎ後に濡れた状態で撥水スプレーを全体にかけるのが効果的です。その後、乾燥機に入れて加熱することで撥水性が復活します。乾燥機の熱によって撥水加工が再活性化し、レインウェアの性能を長持ちさせることができます。この手順を定期的に行うことが、快適な登山を支えるメンテナンスの鍵です。
レインウェアの活用ポイント
購入時にサイジング
レインウェア購入時には、サイズが大きすぎても小さすぎても動きづらいため、試着が重要です。レインウェアは他のウェアを着た上から着用するため、その分も考慮しましょう。試着時には、手や足を上げて体の一部がはみ出さないか、動きやすいかを確認することが大切です。
安全な場所で着脱
レインウェアの着脱には、予想以上に手間と時間がかかります。細い登山道や雨風が強い場所、落石が起こりやすい場所では、安全に着脱できません。広くて安定した場所を選び、風雨の影響を受けにくい環境で行うことが大切です。
シンプルに効率の良い着脱を
雨が降り出した際、素早くレインウェアを着脱できるよう、出発前にジャケットやパンツの裾のジッパーを開けた状態でザックに収納しておきましょう。これにより、山での作業を効率化し、シンプルに対応できます。時間を無駄にせず、素早く雨対策ができるため、安全性も高まります。
まとめ
今回の記事では、登山用レインウェアの選び方から、シーン別のおすすめアイテム、人気ブランドの徹底比較まで詳しく解説しました。
登山中の急な天候変化に備えるために、完全防水性と透湿性を兼ね備えたレインウェアは欠かせません。自分に合った一着を選び、定期的なメンテナンスや正しい保管をして、登山をより快適に楽しんでください。
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