富士山新規制の最新情報2024:登山者が知っておくべきポイント

山の基本知識

2024年から富士山に新しい規制が導入されます。この規制は、山小屋宿泊を伴わない夜間登山を防ぎ、混雑を解消するためのものです。この記事では、富士山新規制の最新情報について詳しく解説していきます。大きな変更点があるため、富士登山を考えている方に必見の内容となっています。

富士山新規制の概要

新規制の背景と目的

富士山の新規性は、山頂付近での過度な混雑や弾丸登山による登山者の体調急変問題に対応するために導入されました。特に短時間で無理に登頂を目指す弾丸登山は、高山病や疲労による体調う不良を引き起こしやすく、安全面での懸念が高まっていました。

2024年に導入される新規制は山梨県側の吉田ルートのみ対象となります。

吉田ルートの通行規制

山小屋宿泊を伴わない危険の夜間登山を防ぐ目的で吉田ルートの五合目に規制ゲートが設置され、午後4時~翌午前3時の間は入山が不可となります。この時間制限により登山者の安全を確保することができます。ただし、山小屋を予約済みの方は規制中も通行が可能となります。午後4時を過ぎての入山となる場合はゲートで山小屋の予約完了メールなどを提示できるよう準備しておきましょう。

事前予約に3,000人、当日分1,000人の枠が用意されています。事前予約は通行予約システムを利用し、予約を行うことができます。富士登山の予定が決まっている方はできる限り前もって予約をしておくようにしましょう。

山小屋の宿泊予約と通行予約は別となります。山小屋予約者は通行予約の必要はありませんが、通行料の支払は必要となるため通行予約システムを利用しての事前決済もしくは現地での支払いを行いましょう。

通行料の導入

通行料が初めて義務化されるのは登山者の6割が使用する山梨県側の吉田ルート。1人当たり2,000円の通行料が必要となります。通行料を支払うことでリストバンドを受け取ります。こちらのリストバンドをつけることで通行料を支払ったことの証明となります。事前決済終了後の自己都合によるキャンセル・変更はできないため注意が必要です。

静岡県富士登山事前登録システム

2024年は規制の対象ではありませんが、静岡県側の登山ルートである須走ルート、富士宮ルート、御殿場ルートでも「静岡県富士登山事前登録システム」の運用が開始されます。

このシステムは世界遺産である富士山を守り、伝え、全ての登山者が「神聖さ」・「美しさ」を実感できるような安全で快適な富士登山を実現するために今年より入山管理が実施されます。山梨県側の通行予約システムと異なり、人数制限や通行料金を支払うシステムではありません。

引用:富士登山オフィシャルサイト

当システムに未登録の場合、各登山口の5合目でルール・マナーの現地学習が必要となり登山開始まで時間がかかってしまうため事前に行っておくようにしましょう。システムの事前登録はこちらから。

山梨県側と静岡県側の情報比較

1.開山期間

富士山の開山期間はルートによって異なります。山梨県側の吉田ルートのみ他のルートより早く開山します。吉田ルートのみが開山している7/1(月)~7/9(火)の期間は登頂してもお鉢巡りをすることができないため、富士山の最高地点である剣ヶ峰を訪れることはできない点に注意が必要です。

お鉢巡り歩道とは

富士山頂の火口を一周し、富士山の最高地点である剣ヶ峰を目指すトレッキングコース

  • 1周:約2.5 km、約1時間30分
  • 吉田ルート・須走ルート山頂→剣ヶ峰:約50分
  • 富士宮口・御殿場口山頂→剣ヶ峰:約20分

マイカー規制期間

富士山の登山シーズンは登山口へのマイカーでの入場が規制されます。マイカー規制の対象となるのは吉田ルート、須走ルート、富士宮ルートの3つで、規制期間中にマイカーで富士山へ行く場合は乗換駐車場に車をとめ、シャトルバスもしくはシャトルタクシーに乗り換え登山口に向かう必要があります。

吉田ルート:7/5(金)18:00 ~ 9/10(火)18:00

  • 乗換駐車場:富士山パーキング
  • 駐車可能台数:約1,100台
  • 駐車料金:1,000円
  • シャトルバス料金:往復2,500円

須走ルート:7/10(水)9:00 ~ 9/10(火)18:00

  • 乗換駐車場:須走多目的広場
  • 駐車可能台数:約340台
  • 駐車料金:無料
  • シャトルバス料金:往復2,100円(詳細はこちら)
  • シャトルタクシー料金:4,080円(4人まで乗車可能)

富士宮ルート:7/10(水)9:00 ~ 9/10(火)18:00

    • 乗換駐車場:水ヶ塚駐車場
    • 駐車可能台数:約870台
    • 駐車料金:無料
    • シャトルバス料金:往復2,200円(詳細はこちら)
    • シャトルタクシー料金:5,200円(4人まで乗車可能)

    最近の登山者の傾向

    登山者数はコロナ前の水準に

    2023年の富士山登山者数は、コロナウイルス流行前の水準まで回復しました。2024年も同じかさらなる増加が予想されており、多くの登山者が見込まれています。

    この混雑を避けるためには、週末ではなく平日に登山計画を立てるのが効果的です。平日は登山者が少なく、混雑によるストレスや待ち時間を減らし、より快適で安全な登山が期待できます。

    危険行為やマナー違反行為が増加

    近年、登山者の中で疲労により登山道やトイレ内で寝込んでしまう事例が増加しています。これらの行為は他の登山者にとって迷惑なだけでなく、登山者自信にも危険を伴います。

    山梨県側では、このような危険行為やマナー違反を防ぐため、「富士登山適正指導員」を条例で任命し、登山道の巡回指導を強化しています。

    装備不足の登山者が見られる

    富士山では初心者の登山者が増えていることから、軽装で登れると誤解する人が多く見られます。しかし、富士山は標高が高く、気温が低いため、真夏でも低体温症の危険があります。特に天候が急変することも多く、適切な装備が欠かせません。

    登山用の防寒具や雨風を防ぐウェアを必ず携行し、装備不足によるリスクを防ぐことが重要です。装備をしっかり整え、快適かつ安全な登山を心掛けましょう。

    ゴミのポイ捨てが多い

    富士山にはゴミ箱が設置されていないため、登山者自身がゴミを持ち帰る必要があります。しかし、ゴミのポイ捨てが増えており、環境保護の観点から大きな問題となっています。

    富士山の美しい自然を守るために必ずゴミ袋を持参し、自分で出したゴミは持ち帰ることがマナーです。

    富士山登山者への注意点

    弾丸登山はやめる

    弾丸登山では、夜通しで登るため睡眠不足になりやすく、高所に体が順応できないまま進むことが多くあります。これにより事故のリスクが高まり、特に酸素が薄い富士山では高山病にかかる危険性が大きくなります。

    山小屋を利用し、適切な休憩や睡眠をとりながら登ることが、安全に富士山を楽しむためには不可欠です。

    各ルートの標高差やコースタイムを事前に調査する

    2024年の吉田ルートの通行規制により、他のルートを利用する登山者が増加しています。各ルートには異なる標高差や難易度があるため、事前にルートの特徴を把握し、自分の体力や登山経験に合ったコースを選ぶことが重要です。

    特に初めての富士登山では、コースタイムもしっかり確認して、無理のない計画を立てましょう。

    まとめ

    富士山の新規制は山小屋宿泊を伴わない夜間登山を防ぎ、混雑を解消するために今年より導入されました。午後4時~翌3時までの登下山道の閉鎖や、1日4,000人の登山者数制限などの新しいルールに従い、計画的な登山を心掛けることが大切です。事前の準備と情報収集をしっかり行い、安全に富士登山を楽しみましょう。

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